【2019-20年末年始旅 .7】中谷剛さんのガイドでアウシュヴィッツ

2019年12月30日(月)今日は念願のアウシュヴィッツに行く日です。
前回( 2019年GWの10連休 )直前にクラクフへの旅を決めた為アウシュヴィッツのHPからの予約が満席でできず当日朝早く並べば入れるかなと思ったのですが2回とも撃沈。
どうしてもアウシュヴィッツを諦めきれず今回は10月6日にアウシュヴィッツで唯一の日本人公認ガイドの中谷剛さんにメールでガイドをお願いし今日を迎えました。

※中谷剛さんのメールアドレスはネットを検索しどなたかのブログに載っていたものに送信したところすぐに丁寧なお返事をいただきました。

クラクフからアウシュヴィッツ( ポーランド語でオシフィエンチム Oświęcim )まではLajkonik社のバスが本数も多いですが座席の予約ができず早く並んだ人からで面倒なので手数料がかかりますが座席の予約ができるFliX Busにしました。

Bus travel through Europe | FlixBus
✔ Low cost bus travel in Europe ✔ 400,000 daily connections to 2,500 destinations in 35 countries ✔ Free cancellation up to 30 days before departure ✔ Wi-fi & p...

FLiX BUSはもう何回もお世話になっています。オンシーズンは絶対に座席を予約したほうがいいしトイレも有りチケットを印刷せずスマートフォンの画面にQRコードを表示させるだけで良いので簡単で愛用しています。

Lajkonik 社も予約したほうが良いです。アウシュヴィッツは本当に人気の場所なので。

lajkonikbus kup bilet - Lajkonik Bus

個人的には鉄道も有りです。(1回鉄道でクラクフに戻りました。)アウシュヴィッツからオシフィエンチムの鉄道駅まで歩いて20分ほど。道もほぼまっすぐで簡単。

バスはクラクフ 朝6:25発 アウシュヴィッツ 7:50着
中谷さんのガイドツアーの集合時間は入場棟の前に8:50なので1時間も早い到着予定ですが遅いよりはよいしFliX BUSはこの時この時間しかなかったので。
外の景色を見ようと窓側の席を予約しましたが、ヨーロッパの朝は8時頃まで暗く外は真っ暗で何も見えませんでした。

時間通りに到着。入場するのは今日が初めてですがここに来るのは3回目。アウシュヴィッツのこのミュージアムの正式名称は MEMORIAL AND MUSEUM AUSCHWITZ-BIRKENAU  博物館と追悼の場。

朝焼けが綺麗。ちょっとしたカフェテリアは入場棟の横にありますが長居する感じでもなく外の展示を見たりブラブラ。まだ朝8時前ですがこの長蛇の列は当日予約なしで来てチケットを手に入れようとしている方の列です。私も2回並んだことがありますが長時間並んでもチケットが手に入れられず本当に時間の無駄なので事前予約必須だと思います。ガイドツアーで無ければ入場無料ですがガイド無しで入れる時間が月ごとに決まっており入場無料のチケットも必要です。

Auschwitz-Birkenau

ミュージアムの敷地を出てオシフィエンチムの街を歩いてみます。前から気になっていたこの線路。ユダヤ人がヨーロッパ各地から運ばれてきた線路なのでしょうか。
ミュージアムの周囲のオシフィエンチムの街はのどかな感じでこれはこれでいいなと。

再び敷地内に戻りお腹もすいたしホットココアで暖まります。美味しい。
集合時間になりましたがすごい人数の日本人。この日の参加者28名とのこと。なぜかビルケナウに行ってしまったという人が4人いてその方たちを待っていてツアーの開始が30分も遅くなりました。
30分遅れたためか絞首台の見学も無く本当に迷惑だなと思ってしまいました。

A4サイズ以上のバッグは持ち込めないので入り口にあるロッカーに預ける必要があります。空港みたいなセキュリティチェックを受けた後、レシーバー付きのヘッドホンからガイドを聞く仕組み。

右の写真の帽子の方が中谷剛さん。色々なメディアで見たことがあるので初対面なのになぜか親近感を覚えました。

念願の ARBEIT MACHT FREI のゲート
私一人ならもうここだけで色々な角度から写真を撮って最低でも30分は要する場所ですがツアーだと全くそうはいかず。団体行動は私には大変。

雪が積もっている場所もありどうせなら真冬に来てみたかったので極寒でも嬉しい。
この日のためにヨーロッパ仕様のダウンをユニクロで買いました。むしろ暑いくらい。
こんなに極寒の中、暖房もないバラックで生活していたなんて想像を絶する状況です。

昔使われていた棟がそのままミュージアムとなっており、各バラックに当時の写真や遺留品、書類などが展示されています。大学の時にユダヤ人迫害をテーマにしたショートフィルムや映像、資料をたくさん読みその頃から興味深々。昔の写真は特に興味深い。

世界的にダークツーリズム人気とのことでここアウシュヴィッツもたくさんの人。
人が多すぎて展示が良く見えませんでした。常に左の写真のような感じ。
そして中谷さんのツアーは進むのが早い。展示をじっくり見たい方には中谷さんのツアーは合わないと思います。

右上の缶はガス室で大量の人を殺害したチクロンBの缶。
右下はハンドクリーム、右から2番目はユダヤ人が収容されるときに持ってきた食器類。
こういう遺留品を見ると突然連れてこられた何の罪もない人が選別され過酷な労働またはガス室か銃殺か絞殺。心が痛みます。

アウシュヴィッツの地面のレンガが割れたようなかけらが気になりました。
そしてこの収容所、ユダヤ人だけでなくレズビアンや障がい者も収容されていました。
左の上から3つめの写真はその種別を色分けするリスト。
アウシュヴィッツのTwitterでは収容され殺されたユダヤ人のバックグラウンドを紹介しています。今でも毎日見ていて心が痛みますが興味があるのも事実。

https://twitter.com/AuschwitzMuseum

収容所なのでもっとボロボロの建物かと思っていましたが私がイメージしていたのは後半に行くビルケナウでした。有刺鉄線の跡もあり監視塔や銃殺した壁なども。
展示があまりに残酷で刺激が強すぎる人も中にはいるようですが、私は全く大丈夫でした。普段から興味があり色々見ているためだと思います。

ここ最近「早くアウシュヴィッツに行かなければ。」と思ったのはホロコースト否定論の裁判を扱った映画「否定と肯定 DENIAL」映画の中にも冬の雪が積もるアウシュヴィッツが出てきます。

色々な考えがありますがアウシュヴィッツは確実に存在していました。

アウシュヴィッツで個人的に一番重かったのは左の写真、ガス室。
実際に中に入りましたが本当に色々考えさせられました。シャワーを浴びると騙されガス室で苦しみながら死んでいくなんて。

アウシュヴィッツの見学が終わり、ここで中谷さんにガイド料をお支払いします。
その日の参加人数によって料金が変わるとのことでこの日は一人80ズオティまたは20ユーロでした。
休憩を挟み、ビルケナウに行きたい人はバス乗り場前に集合となりました。

すでに書いた通り、中谷さんのツアーは展示をじっくり見学したい人には向きません。
私も展示や写真や説明を自分でじっくり見たかったのですがそれでも中谷さんのガイドを聞くことができて参加できてよかったと思いました。

中谷さんのガイドで印象に残った言葉。
「人間は現状に不満があると自分たちより下の階級を作り、いじめることで自分たちを保とうとする。そのターゲットになったのが当時ビジネスで頭角を顕していて目立っていたユダヤ人だった」
「アウシュヴィッツの悲劇を生んだのはヒトラーやナチスではなく傍観者」
本当にそうだなと思いました。
中谷さんのガイドは当時アウシュヴィッツで起きたことを説明するとともに、今の時代では?と常に考えさせられる語り口調で本当に勉強になりましたし物事の考え方も少し変わりました。

ただ展示をもっとじっくり見たかったのも事実。ドイツ語も英語もだいたいわかるしとにかく好きなのが当時の写真。1日は中谷さんのガイドで、もう1日は自分で見学するように予約すれば良かったなと思いました。
売店に売っている「追悼の場 AUSCHWITZ-BIRKENAU 案内書」を買って見ながら見学すればガイドなしでも良いと個人的には思います。ポーランドもクラクフの街も大好きなのでアウシュヴィッツはまた行きます。

次はビルケナウを見学します。

~つづく~