海外一人旅をする方で私みたいにバカな方はいないと思いますが、
「私だけはスリに遭わない」という何の根拠も無い変な自信があって
昔から一度もスリ対策をしたことがありませんでした。
その上、普通に会社で夜まで仕事してそのまま空港へ。
深夜便でヨーロッパに行くパターンが多いので日本で使っているお財布をそのまま海外でも使っていました。
お財布が大きくてお札も硬貨も入れる場所が2か所ずつあって現地通貨と日本円が混ざらないのです。
そして当然みなさんがやっている「分散」というのもしたことがありませんでした。
(20代の初期はしてたかも・・でも記憶が無いからやはりしていないと思う。)
クレジットカードやお金をスーツケースの中などに分散して持つのですよね。
一度もやろうと思ったことも、やったことありませんでした。
そして去年の10月。もう5回目か6回目のドイツ・ベルリン旅行。
テーゲル空港からベルリン中央駅への路線バスに乗っていて何度も来ている街ということもあって
緊張感も危機感も全く無し。
若干混んでるなぁと思っていて中央駅で降りたときにはトートバッグ(ファスナー無)の中に
入れておいたお財布が丸ごとなくなっていました!
しばらく状況が理解できず、盗まれたということにも気づかないほど。
きっとどこかにあるわ~くらいの感覚。ゴソゴソ探しながらホテルへ。
でも、チェックインカウンターで
「デポジットのためにクレジットカードを出してください」と言われたときに
やはり本気で盗まれたことに気づきました。
そしてクレジットカードが無いためチェックイン拒否!!
Expediaで宿泊費は全額支払い済みなのに。
クレジットカードが無いなら現金50ユーロをデポジットでといわれ
バッグの底にあった小銭をかき集めたら40ユーロほど。
これしかないからどうにかこれでと言ったけれど「NO!」
ミニバーも電話も何も使わないからお願い!と懇願しても「NO!」
事の重大さにようやく気付きました。
とりあえず警察に行かなくちゃと思い中央駅内の警察へ。
でもこの寒空の下ホテルに泊まれなかったらどうなるの?
難民・移民が押し寄せているドイツだけど野宿している人なんて一人もいない。
(難民収容所があるのですよね)
どうしようーーーー
もう呆然として思わず日本大使館へ電話。ホテルにチェックイン出来ない旨を話したら
折り返しになりました。(結局私の電話の設定が悪く折り返しが受けられず)
警察では盗難証明を作ってもらったけど盗難証明があるからって
ホテルのチェックインと何の関係もない。
こんな寒い中、野宿なんて無理!!(その時ベルリンは昼間でも5℃の季節)
40ユーロで泊まれるホテルなんてあるの?しかも帰りの飛行機まで7泊もあるのに。
人生で一番ピンチを感じた瞬間でした。今までのんびり何も考えずに生きてきたツケです。
でもよく考えたらExpediaで宿泊費支払い済なのに泊まれないなんておかしくない?
(全くおかしくないですが。)
どうにかして絶対チェックインさせてもらわなくちゃと再度ホテルへ。
またしても何を言っても「NO!」の嵐でしたが
「じゃあ、日本の家に置いてあるクレジットカードの番号を言うからそれではだめ?」
と試しに言ってみたら「じゃあ言ってみて。」と。
私ネットショッピングが大好きなのでいちいちカードを取り出して見るのが面倒で
クレジットカードの番号、有効期限、セキュリティコードを全部覚えているのです。
ちなみに銀行のキャッシュカードの番号も全部覚えています。
番号言ったらフロントのお姉さんはコンピューターに打ち込んでいて
カードの有効性が確認できたようで「OK!泊まれるわよ!!」とお姉さんも興奮!
お姉さんが女神に見えました。
ただこのクレジットカードの番号を口頭で言う方法はどこでも使えるわけでは無いです。
次のホテルではカードの現物が無いと絶対にダメと言われました。
ホテルにはチェックインできたけどこれから7泊もあるのにどうしよう?と思い
クレジットカードの緊急再発行をお願いしました。
カードは何枚か持っていますがセゾンは再発行の制度が無さそう(一般カードだし。)
JCBは電話したら「フランクフルトまで取りに来ていただければ再発行します。」という
有り得ない回答。カードもお金もないのにどうやってフランクフルトまで行けばいいの?
そもそもドイツでJCBを使えるところがかなり限られそうなので却下。
結局UCカードのゴールド(マスターカード)を持っているので電話したら
マスターカードが緊急再発行してくれるとのこと。
ドイツ時間で土曜日の夕方に電話して、月曜の早朝にはホテルに緊急再発行のカードが届きました!!
(再発行のカードはトップの写真のものです。)
↑カードはこの封筒に入って届きました。フランクフルトからの発送でした。
スピーディーさもすごいけどマスターカードの方のホスピタリティにも感激しました。
日本の方だけでなくアメリカの方も電話くれたりホテルのフロントの方に
ちゃんと受け取れるように交渉もしてくれました。
もう本当に何から何まで感謝しかありませんでした。
そしてこの再発行のカードに助けられました。キャッシングは出来ないし
ピンコードも無いから毎回サインだけどそんなの全然問題ありません。
ドイツは買い物のときクレジットカード払いのときはPINコード(暗証番号)が必須なので
PINコードがないこのカード使えるの?!とドキドキしましたが
お店の方はPINコードの有無に慣れてるようで、このカードを出すとサインの用紙を
出してくれて何の問題もありませんでした。
スリに全財産が入った財布を盗まれると本当に大変だということを身を持って実感しました。
もしこれが友人との旅行やツアーだったら同行者の方々にも迷惑をかけてしまいます。
一人旅でアフリカやアジアの奥地で言葉の通じない国だったらどうなっていたのだろう?と
考えると恐怖です。
そして持つべきはゴールド以上のクレジットカードだなと確信しました。
盗まれた財布の中には健康保険証、PASMOの定期券、銀行のキャッシュカード3枚、
クレジットカード4枚、プライオリティパス、現金(日本円、ユーロ)、会社の名刺数枚
ポイントカード数枚、病院の診察券、ベルリンの7日間パスなどすべてが入っていました。
マイルの関係で運悪く普段使わないクレジットカードまで財布に入っていました。
このベルリンでのスリによる盗難を教訓に、以降は”分散”を心がけています。
首から下げるカードホルダーも買いました。分散しすぎてどこに何を入れたか忘れがちですが。
ただこの4ヵ月後にまたスリに盗難に遭うのですけどね。
2015年度は2回もすられるなんて。その話はまた今度にします。